LabHub

ブログ

ビデオ会議 & 非同期ミーティングツール 2026 — Zoom / Google Meet / Teams / Loom / Granola / Read.ai / Fathom / Jitsi 徹底比較

한국어English日本語

プロローグ —「会議室」という言葉が意味を半分失った年

2020年初頭、全員が突然 Zoom をインストールした。それ以前は会議室に集まっていた。2026年5月の今、「会議室」という言葉は半分死んでいる。

その代わりに置かれたのは4種類のツール群だ。

そしてこの4種類の上に、さらに 営業コール・インテリジェンス(Gong、Avoma、Chorus.ai)、オープンソース / ブラウザ系(Jitsi、BigBlueButton、Whereby、Wire)、ハードウェア(Plaud Note)、日本・韓国ローカルツール(V-CUBE、カカオワーク Meet、NAVER Works Meet)が積み重なっている。

本稿はこの地図を一度に見せる。どのチームがどのツールを選ぶべきか、何が消えて何が伸びているか、そして2026年のミーティング文化がどう再編されたか。


第1章 · 2026年ミーティングツール地図 — 4 + 3 分類

ミーティングツールを一括りにするのは難しい。まずカテゴリを整理しよう。

[リアルタイム・ビデオ会議]
   Zoom · Google Meet · Microsoft Teams · Webex · GoToMeeting
   |
   +-- エンタープライズ(Teams/Webex)、SMB(Zoom)、消費者・教育(Meet)

[カジュアル音声 / 短い通話]
   Slack Huddles · Discord Stage · Around · Huddle系
   |
   +--「会議を予約せず、5分だけつなぐ」

[非同期ビデオメッセージ]
   Loom · Tella · Vidyard · Bubbles
   |
   +--「これは会議じゃなくて動画メモ」

[AIノート / 文字起こし]
   Granola · Read.ai · Otter.ai · Fathom · MeetGeek · Krisp Notes
   |
   +-- 別途ボット vs ノートPCローカル取得

[営業コール・インテリジェンス]
   Gong · Chorus.ai (ZoomInfo) · Avoma
   |
   +--「この通話には売上が懸かっている」級

[オープンソース / ブラウザ / セキュリティ]
   Jitsi Meet (8x8) · BigBlueButton · Whereby · Wire Meet
   |
   +-- セルフホスト、教育、セキュリティ重視

[ハードウェア / ローカル]
   Plaud Note · V-CUBE · カカオワーク Meet · NAVER Works Meet

1つの会議が複数のカテゴリを同時に通過するのが普通だ。Zoom で入って、Granola がメモを書いて、Slack Huddle で素早く繋いで、結果を Loom 動画で不参加者に共有する — これが2026年の平均だ。


第2章 · Zoom + AI Companion — 依然としてリーダー

Zoom は2025年も第1位だったし、2026年現在も第1位だ。ただし1位の意味は変わった。

Zoom AI Companion(2023年9月リリース、当初は「Zoom IQ」)が有料プランに無料同梱されたことで、Zoom は「ビデオ会議アプリ」から「会議OS」へとポジションを移した。

項目内容
リリース2023年9月(AI Companion)
価格戦略有料 Zoom Workplace に無料同梱 — 追加料金なし
機能リアルタイム要約 · 議事録 · アクションアイテム · チャット要約 · メール下書き · ホワイトボード生成
企業Zoom Video Communications, Inc.(NASDAQ: ZM)
市場シェアグローバル・ビデオ会議で約55%(Gartner 推定)

なぜ依然リーダーか

短所 / 変化

誰が選ぶべきか


第3章 · Google Meet(Workspace + Gemini)

Google Meet は2020年に Hangouts Meet からリブランドされて以来、Google Workspace の標準会議ツールとして定着した。

項目内容
企業Google LLC(Alphabet)
ネイティブ統合Workspace 全体 — Calendar、Gmail、Drive、Docs
AI機能Gemini ベースの文字起こし、「take notes for me」、自動要約
価格Workspace プランに同梱(Business Starter $7/user/month から)

強み

短所

誰が選ぶべきか


第4章 · Microsoft Teams — エンタープライズ標準

Teams はもはや「Microsoft 365 のおまけ」ではない。2026年現在、エンタープライズでは最も普遍的な会議 + チャット + コラボ・プラットフォームだ。

項目内容
企業Microsoft Corporation
統合M365 全体 — Outlook、OneDrive、SharePoint、Office、Loop
AIMicrosoft Copilot for Teams — 会議要約、「この質問に答えて」、アクションアイテム
価格M365 Business Basic $6/user/month から、Copilot は別途 $30/user/month

2024-2025 の変化

強み

短所

誰が選ぶべきか


第5章 · Slack Huddles + Discord Stage — カジュアル音声

会議ではない会議。「5分だけ繋いで話そう」の領域。

Slack Huddles

2021年リリース後、急速に定着。2026年現在 Slack ユーザーなら会議を予約せずチャネル / DM のヘッドフォン・アイコンを一度押すだけで音声通話が始まる。ビデオ、画面共有、そして2024年から AI 要約(「Huddle summary」)まで付いた。

Discord Stage Channels / Voice Channels

Discord は当初はゲーマー向けツールだったが、2026年現在は開発者コミュニティ・OSSプロジェクト・クリエイターコミュニティ・学習グループの標準音声ツール。

ツール向いている状況
Slack Huddles社内 1:1 / 小規模協業
Discord Voiceオープンコミュニティ、常時オンの音声部屋
Discord Stageトーク・パネル・AMA

第6章 · Around / Mmhmm — 小チーム狙いも厳しい道

2020-2021年のパンデミック狂騒の中、「Zoom は形式的すぎる / 重すぎる」を掲げる後発組がいた。

Around(2020-)

Mmhmm(2020-、Phil Libin / 元 Evernote CEO)

教訓: 「Zoom 代替」だけではビジネスモデルが弱い。会議市場はネットワーク効果 + エンタープライズIT統合が決定打。


第7章 · Loom(Atlassian、$975M)— 非同期ビデオの標準

Loom は2025年も非同期ビデオメッセージの事実上の標準だ。そしてもはや独立会社ではない。

項目内容
買収2023年10月、Atlassian が $975M で買収
用途画面録画 + 顔 — 5分の動画を「会議の代わりに」送る
統合Jira、Confluence、Trello、Slack、Linear
AI機能自動チャプター、文字起こし、要約、自動翻訳字幕

なぜ標準になったか

なぜ非同期ビデオが重要か

会議を予約するコスト — 日程調整、30分単位の消費、時差 — は高い。Loom は「この説明は5分の動画で十分」というケースを救う。

短所


第8章 · Tella — Loom 代替

Loom が事実上の標準だが、「録画後の編集」をもっと綺麗にしたいユーザーには Tella が人気。

項目内容
企業Tella(独立)
差別化ブラウザベース録画 + 複数クリップ編集(タイムライン)+ 背景 / レイアウト・テンプレ
用途マーケティング動画、チュートリアル、デモ、コース・コンテンツ
価格$19/month から

Loom が「録画して送る」が本質なら、Tella は「録画 + 編集してコンテンツにする」だ。YouTube 動画、コース講義、デモ動画により適する。


第9章 · Granola — 2024年AIノート新星

2024年に最も話題になった AI ノートツールが Granola だった。

項目内容
リリース2024年5月(ロンドン / SF 拠点)
シード / シリーズA2024年5月、$20M シリーズA — Spark Capital リード
差別化「会議ボット」なし — ノートPCで直接オーディオ録音 + AI 整理
OSmacOS 優先、Windows はベータ
価格無料 25回/月、Pro $18/month

なぜ爆発したか

既存の AI ノートツール(Otter、Read.ai)は会議に「ボット」が入った。「Read.ai is joining the meeting」のような通知が他参加者にも見えた。雰囲気を壊すという不満が多かった。

Granola はノートPCで直接システムオーディオを取得する。ボットが会議に入らない。他人は気付かない。

短所

誰が選ぶべきか


第10章 · Read.ai / Otter.ai / Fathom / MeetGeek — AIノート競争

Granola がノートPC直接取得なら、こちら側は ボットが会議に入る 方式。それぞれ違う強みがある。

Read.ai

Otter.ai

Fathom

MeetGeek

Krisp Meeting Notes

比較マトリクス

ツールボット個人価格強み
Granolaなし(ローカル)Pro $18/monthmacOS、クリーン、ノートPC取得
Read.aiありPro $19.75/monthセンチメント分析
Otter.aiありPro $10/month精度、検索
Fathomあり個人無料Zoom 統合、無料
MeetGeekありPro $19/monthコンテンツライブラリ
Krisp Notesなし(ローカル)Krisp Pro に同梱ノイズ除去 + ノート

第11章 · Krisp — ノイズ除去の標準

Krisp は会議ツールではなく、会議を 改善する ツールだ。AI でノイズ / エコーを除去。

項目内容
リリース2017年
差別化仮想マイク — Zoom / Meet / Teams どのアプリでも動く
追加機能メモ / 録音 / 要約(Krisp Notes)
価格無料 60分/日、Pro $8/month

なぜ依然価値があるか

リモート + カフェ + 家族のいる家 + 犬 — ノイズの源は減らない。Zoom、Meet、Teams もそれぞれノイズキャンセルを強化したが、Krisp のモデルは依然として一枚上手という評価が多い。

特にコールセンター / BPO / 営業チームでは Krisp が標準ツール。2024-2025年にコールセンター市場で急速にシェアを伸ばした。


第12章 · Whereby / Jitsi / BigBlueButton / Wire — オープンソース・ブラウザ・セキュリティ

エンタープライズではない用途 — 教育、コミュニティ、セキュリティ重視 — には別の選択肢がある。

Whereby

Jitsi Meet(8x8)

BigBlueButton

Wire Meet

ツールライセンス強み短所
Whereby商用ブラウザ、埋め込み可大規模会議に不向き
Jitsi MeetApache 2.0無料、セルフホストAI機能弱い
BigBlueButtonLGPL教育特化、ホワイトボードセルフホスト必要
Wire Meet商用(オープンソース・クライアント)E2E 暗号化ユーザー層狭い

第13章 · Webex / GoToMeeting / BlueJeans(RIP)— エンタープライズ

レガシー・エンタープライズ会議ツール群。かつての市場の主。

Cisco Webex

GoToMeeting(GoTo)

BlueJeans by Verizon — RIP 2024年3月

Verizon の BlueJeans 買収(2020)は、コロナ直後のビデオ会議狂騒の頂点で起きた。4年後に市場は Zoom / Teams / Meet の3強体制に固まり、BlueJeans は差別化に失敗した。

エンタープライズでも Zoom と Teams が定着していくにつれ、Webex 以外のレガシーは徐々に居場所を失っている。


第14章 · Avoma / Gong / Chorus.ai — 営業コール・インテリジェンス

営業コールは普通の会議と違う。売上に直結するからだ。それゆえ別カテゴリが生まれた — Conversation Intelligence

Gong

Chorus.ai(ZoomInfo)

Avoma

何が違うか

普通の AI ノートツール(Otter、Granola)は「会議を記録する」。営業コール・インテリジェンスは「ディールを診断する」。

営業マネージャーはこのデータでコーチングする。だから価格帯は一般ノートツールの10倍以上だ。


第15章 · Plaud Note — ハードウェア AI ノート(2024 話題)

ソフトウェア中心の領域に、突然ハードウェア1点が割り込んだ。

項目内容
リリース2023年末、2024年に爆発
企業Plaud(北京 / 東京)
形状クレジットカード厚のデバイス — マグネットで iPhone の背面に貼り付く
機能一度押せば録音 → クラウドアップロード → 文字起こし + 要約
価格ハードウェア約 $159、サブスク $9.99/month から

なぜ伸びたか

2024年を通じてベストセラー・ガジェット・リストに頻出。日本 / 韓国でも並行輸入または正規流通で急速に広がった。

短所 / 懸念

競合

Plaud の成功を受けて Limitless Pendant、Bee AI、Friend など各種 AI ウェアラブルが続いた。2026年現在、カテゴリが定着するかは未確定。


第16章 · 韓国 / 日本 — カカオワーク Meet、NAVER Works Meet、V-CUBE

韓国

日本

ローカルツールが生き残る理由


第17章 · 誰が何を選ぶか — シナリオ別

1人 / フリーランス / コンサル

スタートアップ(10-50人)

エンタープライズ(500+)

教育 / 大学

営業 / RevOps チーム

オープンソース / プライバシー優先

決定マトリクス一覧

優先度推奨
安定性 / 外部ミーティングZoom + AI Companion
Workspace 統合Google Meet + Gemini
エンタープライズ IT 統制Microsoft Teams + Copilot
オープンソース / セルフホストJitsi Meet
教育BigBlueButton
非同期動画Loom
AI ノート(ボットなし)Granola
AI ノート(無料 / Zoom 統合)Fathom
営業コール分析Gong(Enterprise)/ Avoma(SMB)
ノイズ除去Krisp
オフライン会議録音Plaud Note

第18章 · 未来 — 2026 以降

最後の一章。今後1-2年で何が変わるか。

会議の形は変わり続ける。しかし核は変わらない — 人々が集まって決定を下し、その決定が行動に繋がる。ツールはその間の摩擦を減らす役割だ。2026年のツール群はその摩擦を — ボット、ノート、動画メッセージ、自動要約を通して — かつてないほど減らした。そしてその間のどこかで、我々は今でも60分の会議を予約するのに30分の日程調整をしている。


参考 / References

コメント

まだコメントはありません。

ログインするとコメントできます